無線LANメーカーが説明してくれない「不都合な真実」を解明!
いま、「最適」で「もっともお買い得」な無線LAN製品の選び方

 2023年8月8日

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世の中には、数多くの無線LANメーカーが存在しています。メーカー毎にさまざまな特徴を持った機種が発売されており、何を選んでいいのか分からなくなる場合もあるかと思います。本ブログではその中から、費用対効果が高く最適なアクセスポイント(以下、AP)の選び方と、「結論としてAP305C・AP302Wがもっともお買い得である」理由を、ご説明します。

実は無線LAN製品には、メーカーが説明しない重要な「不都合な真実」が、たくさん潜んでいます。

本ブログではそのポイントを分かりやすく、包み隠さず解き明かしていきます。
貴社にとって最適な無線LAN選びに、ぜひお役立てください。

1. 正しい無線LAN・AP製品の選び方とは?

無線LAN製品を選ぶとき、一般的には

  • 最新の技術規格に準拠していること
  • その中で性能が最高であること

= 最新&最上位モデルを買っておけば、間違いない!

となりがちですが・・・
実はこれ、もったいない選び方です。

では、どうすればよいか?というと、

無線LANの技術規格や機能
×
受け手であるクライアント端末側
双方の“相性”を正しく知った上で選ぶ

こと。これこそが、あたりまえのようでいてなかなかできない、最善の選び方です。

その1例が、Wi-Fi6 or Wi-Fi6E

Wi-Fi6Eは、6GHz帯という、これまでWi-Fiで使っていなかった周波数帯域が利用可能なことで、より多くの接続が可能、干渉の少ない快適なWi-Fi環境を実現できます。

が、基本的な仕組みは現状のWi-Fi6(規格で言えばIEEE 802.11ax)と同じ技術であり、別の言い方をすれば「使える周波数帯が違うだけ」。6GHzを使っていること自体が、特別なパフォーマンスになるわけではありません。

さらに、6E対応のクライアント端末は、まだ市場にはほとんど出回っていません。

2. 無線LANメーカーが説明してくれない、不都合な真実

このように、無線LANにはメーカーが説明してくれない重要なポイントがいくつか存在します。
今回解き明かすのは、次の6点です。

それでは一つずつ解説していきます。
自社導入をお考えの方も、お客様に提案する立場の方も知っておくべき情報です。

不都合な真実1

アンテナ数が多いものが良いとは限らない - 4 x 4 か? 2 x 2 か?

新人SEのAさん
新人SEのAさん
APのアンテナ数って、多い方が高機能で良いんですよね?
時代は 4 x 4 でしょ!
先輩SEのBさん
そうとも言い切れないの・・・。
そもそも、無線LANがどうやって通信するか、知ってる?
先輩SEのBさん

 

実はアンテナ数の少ない方に合わせた速度で通信する
APのアンテナイメージ

 

新人SEのAさん
新人SEのAさん
4 x 4のAPと4 x 4のPCで通信する場合が、もっとも通信速度が出ますね!
先輩SEのBさん
だよね。
でも、4 x 4のPC って実際どれくらい使われてると思う?
先輩SEのBさん
不都合な真実2

世の中のクライアントのアンテナ数はほとんど 2 x 2 か 1 x 1

Client Spatial Stream Usage Distribution
APのシェアグラフ

2年ほど前のExtremeのクラウド型NW管理システム(ExtremeCloud™ IQ=XIQ)につながる全クライアントの統計データによりますと、 2 x 2 と 1 x 1で99%。このデータでは、4 x 4 クライアントは存在しませんでした。

新人SEのAさん
新人SEのAさん
え!・・・てことは・・・
先輩SEのBさん
現実的には、2 x 2 のAPと2 x 2 のPCの通信がもっとも効果的、ってことになるわね。
先輩SEのBさん
新人SEのAさん
新人SEのAさん
でも、4 x 4にしておけば、MU-MIMOが使えますよね?
一般的なMU-MIMOの説明
一般的なMU-MIMOの説明
新人SEのAさん
新人SEのAさん
やっぱり、MU-MIMOを使うために、4 x 4にしとかなきゃですよね?
先輩SEのBさん
これまた、そうでもないの。MU-MIMOには制約があるの、知ってる?
先輩SEのBさん
不都合な真実3

MU-MIMOの意外な制約

MU-MIMOの意外な制約

MU-MIMOが正常に機能するには空間ダイバーシティが必要なため、APとクライアントの間隔が5~6m以上必要なのです。 よって、高密度環境やオフィスには不向きです。
通常はこの機能が作動しないように設定することが推奨されており、MU-MIMOは通常使いません。

 

新人SEのAさん
新人SEのAさん
えぇ・・・APとクライアントの間隔が5~6mも必要なんて、現実的じゃないっすね・・・
先輩SEのBさん
でしょうね。
だとしたら、実用面からも費用面からも2 x 2のAPで十分、って思わない?
先輩SEのBさん
不都合な真実4

実は、2 x 2 のAPで十分

MU-MIMOが使えないし、端末も2 x 2と1 x 1が90%以上であれば、

\\ 実用面でも費用面でも2 x 2のAPで十分 //

2 x 2 のAPで十分
先輩SEのBさん
APは2 x 2で十分として、ほかにAP選びのポイントは何だと思う?
先輩SEのBさん
新人SEのAさん
新人SEのAさん
2.4GHzは電波干渉を受けるので、5GHzにした方がいいですよね?
先輩SEのBさん
確かに重要ね。
だったらDual 5GHzにした方が良いのは知ってる?
先輩SEのBさん
解説2.4GHz帯での干渉問題
2.4GHz帯は電波の届く範囲が広く、障害物に強い一方、同じ周波数帯に電子レンジやBluetooth、アマチュア無線などさまざまな機器と電波を共有しているため、電波干渉が起こりやすい周波数帯です。電波干渉が起こることで通信速度が低下する、接続が不安定になる、途切れるといった事象が発生します。
それに対し5GHz帯は2.4GHz帯と比べて電波の届く範囲は狭いものの、電波干渉が起こりにくく安定した通信が可能な周波数帯です。帯域を確保しやすく、高速通信に適している特徴を持ちます。
不都合な真実5

2.4GHzの干渉問題は、Dual 5GHzで一気に解決

Dual 5GHzのイメージ

「Dual 5GHz」は、APに2つあるWi-Fiインターフェースを両方とも5GHzに設定できる機能です。(通常2.4GHz用になっている無線インターフェイスを5GHzに設定可能)

すべてのクライアント端末との通信を5GHzで利用することで、2.4GHzの干渉問題から解放され、WEB会議アプリや密集したオフィス、教室で高いパフォーマンスを発揮。1台で2台分使えることに等しいため、大変お得です。

新人SEのAさん
新人SEのAさん
なるほど、確かに1台で2つの5GHzが使える方がいいですね!
先輩SEのBさん
そうよね。
じゃあ、2 x 2 でDual 5GHz対応の製品はどのくらいあると思う?
先輩SEのBさん
新人SEのAさん
新人SEのAさん
え?各社からたくさん発売されてるんじゃないんですか?
クラウド対応・Wi-Fi6対応・2ラジオの 2 x 2 のAPでDual 5GHzに対応しているモデルは、Extreme社のAP305CとAP302Wです。
AP305CとAP302W
※2023年6月のSanko IBによる国内外の15社のWEB情報の調査ではクラウド対応・Wi-Fi6 対応・2ラジオの2 x 2 のAPでDual 5GHz対応のものは 見つけられませんでした。
新人SEのAさん
新人SEのAさん
え! いきなり2製品だけになっちゃうんですか?
先輩SEのBさん
そうなの。4 x 4 の最上位機種なら他にもあるけど、
2 x 2 だとこの2製品なのよ。
先輩SEのBさん
新人SEのAさん
新人SEのAさん
ちょっと待ってください、そもそも、Dual 5GHzに対応していないと、どんな問題があるんですか?
先輩SEのBさん
いい質問ね。
Dual 5GHzじゃない環境だと、こんなデメリットがあるわ。
先輩SEのBさん

 

Dual 5GHzに対応していない製品の問題点(Wi-Fi6モデルの場合)
オフィスや学校での“通信速度が遅いと申告があった場合”の対処方法が限られ、問題点が多い
“通信速度が遅いと申告があった場合”の対処方法
さらなる懸念事項
  • DFSの検知が多くみられる環境では、APの設定時にDFSの影響を受けないよう、W52だけを使うチャネル設計をすることが多いため、元々使えるチャネル数が少なく干渉の温床となってしまいます。
  • チャネルボンディングの設定をすることで、使えるチャネル数が半分や4分の1になるため干渉の可能性は激増します。
無線LANの通信速度を改善する対処法と問題点
無線LANの通信速度を改善する対処法と問題点
詳しく見る 
新人SEのAさん
新人SEのAさん
なるほど・・・
通信品質を保つには、Dual 5GHzじゃないと不安ですね・・・。
先輩SEのBさん
そうなの。Dual 5GHzなら、こんなベネフィットも得られるわ。
先輩SEのBさん

 

Dual 5GHz によるベネフィット
Dual 5GHzによってハイパフォーマンスかつ安定したネットワークを実現できます
そもそも問題が起きにくい環境を構築し、チューニングが不要です
設定機能 ベネフィット
導入時にDual 5GHzでWiFi0を5GHzに変更 1台で2台分の5GHzのチャネルを利用可能なので通信が安定
チャネルボンディング不要なため干渉が起きにくい
そもそも問題が起きにくい環境の構築が可能
追加設定機能
ラジオロードバランス機能も利用
両方の5GHzで同じSSIDを利用可能にしておけば、それぞれの5GHzに接続するクライアント接続数を均等に分散させることも可能
両方の無線インターフェイスを5GHzに設定することができます。
すべてのクライアントとの通信を5GHzにして利用し安定的な通信ができます。
OA/業務システムやWEB会議システムの活用に最適。
将来のアプリケーションの拡張・高機能にも十分に対応可能。

電波干渉の心配から解放され、
仕事に集中できます

他社Non-Dual 5GHz製品にありがちなチューニングが不要!!
Dual 5GHz

両方の無線インターフェイスを5GHzに設定することができます。
すべてのクライアントとの通信を5GHzにして利用し安定的な通信ができます。

Dual 5GHz
ラジオロードバランシング(Dual 5GHz利用時)
ラジオロードバランシング(Dual 5GHz利用時)
新人SEのAさん
新人SEのAさん
DFS*に対しては、心配ないんですか?
先輩SEのBさん
Dual 5GHzにはDFSを回避する画期的な技術があるから、心配ないわよ!
先輩SEのBさん
不都合な真実6

6GHzだけではない、DFSを回避する画期的技術

DFS

あらかじめWifi0側をDFSの影響を受けないW52(36・40・44・48)に設定しておくと、Wifi0側に接続されている端末には通信影響が発生しません。さらに、通信断の発生したWifi1側に接続していた端末も、速やかにWifi0側に接続が可能です。(同一SSIDであれば、接続時にID/Passの入力も不要)

解説*DFSとは
DFS(Dynamic Frequency Selection)とは、日本特有の電波事情を解決するための機能です。5GHz帯には、Wi-Fiのほか気象レーダー波などが混在しています。そのためWi-Fi機器には、生活インフラへの影響を考慮して干渉するレーダー波を検出した時点で5GHz帯のWiFi電波を停止する、DFS機能の搭載が義務化されています。レーダー波検知後は30分間停止、その後通常動作に戻りますが、一時的に速度が低下したり、接続が切れるといった事象が発生します。
新人SEのAさん
新人SEのAさん
なるほど、いいですね!
どれにすればいいか迷いまくってましたが、スッキリしました!
先輩SEのBさん
そうでしょ、いま買うなら、Extreme AP305C とAP302Wで決まりよ!
先輩SEのBさん

3. 結論+まとめ!

無線LANメーカーが説明してくれない、不都合な真実
  1. 実は世の中の端末は 2 x 2 と 1 x 1 だらけ!?だから、APも 2 x 2 で十分!
  2. MU-MIMO機能は実際には不向き!
  3. 実は 2 x 2 モデルで十分性能を発揮!
  4. Dual 5GHzはAP2台分の5GHz通信キャパシティを実現!オフィスに最高!2.4GHzの干渉から解放!
  5. Dual 5GHzではほとんどチューニング不要、デフォルト設定が最高!
  6. Dual 5GHzでは、DFSの場合にも対応策を講じられ最高!
6つの真実を満たすWi-Fi6のAPはExtreme AP305C とAP302W
しかもミドルレンジモデルなのでお買い得!
AP305Cミドルレンジ
  • 802.11ax
  • 5GHz:2 x 2 : 2
  • 2.4GHz: 2 x 2 : 2
AP305C
AP302W卓上型
  • 802.11ax
  • 5GHz:2 x 2 : 2
  • 2.4GHz: 2 x 2 : 2
AP302w

 

さらに通信キャパシティが望まれる場所には、
4 x 4 のAP410CとAP460Cもあります!
AP410Cハイエンド
  • 802.11ax
  • 5GHz:4 x 4 : 4
  • 2.4GHz: 2 x 2 : 2
AP410C(AP650)
AP460C屋外用
  • 802.11ax
  • 5GHz:4 x 4 : 4
  • 2.4GHz: 2 x 2 : 2
AP460C
解説ZeroWaitDFS
ZeroWaitDFS
Zero Wait DFS とは、レーダー波に干渉しない候補となるチャネルを常に確認しておき、DFSにてレーダー波を検知した場合、即座にチャネルへと切り替える機能。ほぼ通信断が発生しません。
Extreme社のWi-Fi6モデルでは、ハイエンドモデルのAP410CとAP460C(屋外用)に搭載されています。
ネットワークが不調になる要素
ネットワークが不調になる要素
詳しく見る 

4. 補足:なぜ他社は 2 x 2 のDual 5GHzを発売しないのか?

※ 以下は、Sanko IBの見解です

2 x 2 のDual 5GHzモデルのラジオ部品は、下記の構成となります。
Wi-Fi1:5GHzのラジオ部品
Wi-Fi0:2.4GHzと5GHzの両方に使えるラジオ部品

つまり、Dual 5GHz対応モデルでは、2.4GHz側のラジオ部品の代わりに、2.4GHzと5GHzの両方に使えるラジオ部品を2つ使用しており、当然その分、製造コストは高くなります。

おそらく他社はモデル数も多く、モデル毎のコストを最優先し、この部品を採用していないと推察されます。

一方、Aerohive社はもともとモデル数が少なく、同一部品の数量を多く仕入れることでコストを抑える努力をしてきました。Aerohive社は、2016年にAP250(3 x 3 のWi-Fi5モデル)でDual 5GHzモデルを発売。2018年にも最初のWi-Fi6モデルとしてAP650(4x4のWi-Fi6モデル)を発売しましたが、このモデルも既にDual 5GHz対応でした。

そしてこれらのモデルが高評価であったため、Wi-Fi6後続モデルのAP305C、AP302W、AP410C、AP460Cにも、Dual 5GHz対応部品を採用したと思われます。

上記はあくまでも推察ではありますが、理由はさておき、AP410C、AP460C などのハイエンドモデルだけでなく、2 x 2のミドルレンジモデルであるAP305C、AP302WもDual 5GHz仕様となっていることは、お客さまにとって低コストで最適な無線LAN環境が実現するという、非常に大きな価値をもたらします。

Dual 5GHz仕様の無線LANのご相談は今すぐSanko IBへご連絡ください。
また、当ブログの記事をまとめたホワイトペーパーは、下記よりダウンロードいただけます。

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