NEXT GIGAスクール成功のための無線LANの鉄則
2024年9月10日
学校のICT化が進む中、これからの学校には、あることさえ忘れてしまうようなさわやかで快適な空気のような無線LANが必須となります。
その実現には大企業グレードの設計・構築・運用体制を超える必要があります。
このブログでは、文部科学省が2024年4月に発行した「学校のネットワーク 改善ガイドブック 令和6年4月」に書かれていないNEXT GIGAスクール成功のための無線LANの鉄則を、これまでの弊社の提案経験やお客様・代理店様の生の声をもとにお伝えします。
目次
1. ネットワークにおいて想定される不具合箇所とは
「学校のネットワーク 改善ガイドブック 令和6年4月」は、地方公共団体においてネットワーク整備を担当する方々を対象にした、GIGAスクール構想を実現するためのネットワーク改善に関する概括的な解説書です。各章の概要は下記の通りです。
- 第1章 ネットワークについての理解を深めていただくための基礎知識
- 第2章 学校のネットワークの課題把握の手順や課題への対応方法
- 第3章 学校の通信契約の見直しの観点について
※文部科学省「学校のネットワーク 改善ガイドブック 令和6年4月」から株式会社Sanko IBが要約
ここでは、ネットワークにおいて想定される不具合箇所として、下記の4点に整理されています。
1
ソフトウェアサービス基盤側の制約
2
通信サービスの契約
3
ネットワーク機器
設定 性能 設置・配線
設定 性能 設置・配線
4
端末の性能、運用
とりわけネットワーク機器については、他の要素に比べほぼ無数の組み合わせで現場毎に違うため、ばらつきが非常に大きいと推測されます。
これに対してきちんとした考え方を取り入れることで改善効果が見込まれると思われます。
2. 「学校のネットワーク 改善ガイドブック 令和6年4月」と無線LAN
新人SEのAさん
ある教育委員会のネットワーク責任者の方から文部科学省の「学校のネットワーク改善ガイドブック」を踏まえてネットワークの改善提案の依頼があったんです!!
どう対応しましょうか?
どう対応しましょうか?
先輩SEのBさん
そもそも「学校のネットワーク 改善ガイドブック 令和6年4月」って読んだことある?
新人SEのAさん
はい、読みました!
いろいろな観点で書いていますが、「当面の推奨帯域」という言葉がキーワードですね!
帯域が不足している学校は、すぐに回線契約を見直して増速するのが提案の骨子になりますかね?
いろいろな観点で書いていますが、「当面の推奨帯域」という言葉がキーワードですね!
帯域が不足している学校は、すぐに回線契約を見直して増速するのが提案の骨子になりますかね?
先輩SEのBさん
帯域増強も大切だけど、ガイドブックP18~P22の不具合の原因と対応例の31項目のうち、無線LANのことが10項目もあるのよ!
なので、無線LANにテーマを絞って、私たちが提案するExtreme Networks社の製品での解決策も一緒にまとめておいたわ!
なので、無線LANにテーマを絞って、私たちが提案するExtreme Networks社の製品での解決策も一緒にまとめておいたわ!
No | インターネット通信が遅い、無線LANが切れてしまうなど無線LANの不具合の原因と考えられるもの | 考えられる対応策 |
---|---|---|
7 | 無線AP同士が電波干渉し、無線LANの接続が不安定になる (例:2.4GHz帯の無線LANしか使用しておらず、電波干渉を起こしている) |
無線APのチャネル変更 チャネル干渉の自動回避設定 |
8 | 無線APの電波強度が不足し、無線APから距離が離れると通信が不安定になる | 無線APの増設 無線APの電波強度の変更 |
9 | 2.4GHz帯の電波を使用する無線APに接続していたことで、複数台端末を無線APに接続すると通信が不安定になる | 5GHz帯の電波を新規設定 |
10 | 無線APの帯域不足 (例:Wi-Fi4等の古い無線規格を用いて通信していたことで、帯域が不足する) |
Wi-Fi6等の無線規格へ変更 チャネルボンディング設定 ストリーム数の多い無線APへの更改 |
11 | 無線APの接続切り替わり不良により、教室間の移動などで無線LANの接続が不安定になる | 無線APのローミング設定の見直し |
16 | 無線APの接続台数が過剰となり、通信が不安定となる (例:2教室で1台の無線APを共用することにより、接続台数が増加し、通信帯域が低下する) |
無線APの増設 新しい無線APへの更改 |
20 | 機器設置位置の不備 (例:無線APの設置場所が不適切で、建物の構造等による影響を受けていた) |
無線APの設置場所の変更 |
21 | 適切な距離に無線APが設置されておらず、教室間の移動をすると無線LANが切れてしまう | 無線APの増設 無線APの設置場所の再検討 |
22 | 適切な距離に無線APが設置されておらず、無線AP間で電波が干渉し、無線LANの接続が不安定になる | 無線APの設置場所の変更 無線APの電波強度設定の変更 |
23 | 古い無線APと新しく整備した無線APの電波が干渉し、無線LANの接続が不安定になる | 古い無線APの停止、撤去 |
※文部科学省「学校のネットワーク 改善ガイドブック 令和6年4月」から引用しています
10個の課題を解決できる
Extreme Networks社製品の実績豊富な5つの機能と導入効果
Extreme Networks社製品の実績豊富な5つの機能と導入効果
No | 機能 | 導入効果 |
---|---|---|
1 | 日本語対応クラウド型ネットワーク管理システム | リモート設定管理機能だけでなく、ネットワーク運営会議にて無線LANの利用状況を多彩な画面で説明可能(マウス操作で直観的で分かり易い画面展開) |
2 | 完全コントローラレスの無線AP管理アーキテクチャー | 電波強度とチャネルの精巧な自動調整による快適な通信環境を実現 無線LANコントローラがどこにもないため、導入コストと運用コストを低減しやすくトラブルも起きにくい仕組みを実現 |
3 | Dual 5GHz機能の高性能無線AP | 異なる2つの5GHzのチャネルを利用できるため、高密度環境でも干渉を低減し、高速で快適な通信環境を実現(干渉の懸念があるチャネルボンディングを回避) |
4 | ローミングを促進し低速な端末の接続を防止できる「弱い信号プローブ要求制御」機能 | 職員室から教室などに端末が移動した際に、遠くの無線APに端末が接続したままになることを防ぐことで、無線LANが遅くなることを抑制 |
5 | 無線APプランニングツール(無料機能) | 無線APの配置設計や最適化をいつでも実施できるため、導入時の設置場所の設計、導入後の見直しなどを手軽に実現 |
3. 今こそ押さえておくべき無線LANの基礎
先輩SEのBさん
課題と解決策をお客様にご理解いただくためには、無線LANの基本的な原理をわかっていただくことが大事だと思うの。技術的に難解なことはともかくとして、だれでも理解できる原理を4つだけこっそりお伝えしましょう。
新人SEのAさん
僕も解ったようで、実は解ってないことが結構あるんで、いつも内心ヒヤヒヤしつつお客様と会話してます・・・
1. 無線LAN電波の特性について
- 教室等でよく採用される無線APの電波は裸電球の光のように四方八方に拡散します
- 無線APから端末の距離が離れれば離れるほど電波が弱くなります。電波が弱くなるとデータ通信の速度も遅くなります
- 複数の端末が無線APにつながっているとき、無線APから遠く離れて接続している端末が1台でもあると、その1台だけでなく全ての端末の通信速度が遅くなります。
新人SEのAさん
電波は電球の光と同じように拡散していくのですね。
あと2 x 2とか4 x 4ってどういう意味でしたっけ?
あと2 x 2とか4 x 4ってどういう意味でしたっけ?
先輩SEのBさん
ストリーム数のことね、これも意外と誤解があるので説明するわね!
2. 無線APのストリーム数とは?
- ストリーム数とは無線APの送信 / 受信のアンテナの数のことです。ストリーム数が多いと同時に多くのデータのやり取りが可能です。2 x 2は2ストリーム、4 x 4は4ストリームと言います。
- ただし無線APが4 x 4でも、端末が2 x 2の場合は、2ストリーム分のデータ量しかやり取りができません。
- ほとんどの端末は1 x 1か2 x 2なので、無線APも2 x 2のもので十分機能を果たせます。
新人SEのAさん
チャネルの意味とか、5GHzと2.4GHzもよく聞かれるんですが、違いについて教えていただけますか?
先輩SEのBさん
わかったわ、5GHzと2.4GHzもよく説明で出てくるわよね。
Dual 5GHz機能も重要よ!
Dual 5GHz機能も重要よ!
3. チャネルとは? 2.4GHzと5GHz? Dual 5GHz?
- 無線APで使える周波数帯を分割して使う際、その分割した周波数帯域をチャネルと言います。
- 5GHzは最大19チャネル使えます。干渉が比較的起きにくく高速で比較的安定した通信が可能です。
- 2.4GHzは通常は3か4チャネルしか使えません。電波干渉が起きやすく5GHzよりも安定度が落ちます。
- Dual 5GHz機能を持つ無線APは1台で2つの5GHzの異なるチャネルを使えるため、狭い教室で多くの端末を利用する際に無線APの性能をフル活用できます。
Dual 5GHz機能 1台で実質2台分!
新人SEのAさん
そもそも、なんで無線LANは遅くなるのか?ってよく聞かれるんです。その理由と解決策も教えてください。
先輩SEのBさん
これまでのことを組み合わせるとそれが説明できるのよ
4. 遅い無線LANの理由と改善方法の基本
無線APから遠く離れたまま接続する端末があると、その端末だけでなく、他の端末も全て遅くなります。
改善方法
- 無線APからの距離を均等にするため教室の天井の中央に設置します。
- 無線APから遠い端末のローミングを促進するために「弱い信号プローブ要求制御」機能をONにします。
チャネルの干渉が起きるとその無線APに接続する端末全ての通信速度が低下します。
改善方法
- Dual 5GHz機能を使い、2.4GHzの利用をやめます。
- 電波強度とチャネルの自動調整機能を使います。
4. 学校の無線LAN改善は大企業向け無線LANの鉄則で解決!
新人SEのAさん
本題の学校のネットワーク、特に無線LANの改善の提案はどのようなストーリーがよいですか?
先輩SEのBさん
これからの学校の無線LANは「大企業並みの要求レベルを満たすべきです!」と提案するのがいいわ!!
学校の無線LANの特異性
児童・生徒用と教職員用の全く異なる2つの環境が共存
大企業でも考えられないほど端末が高密度に存在
大企業より多数のユーザが一斉に接続する過酷な環境
問題発生時に運用情報やログ等の深い説明機能が必須
これからの学校の無線LANの活用戦略:
さわやかで快適な空気のような無線LAN環境の実現
さわやかで快適な空気のような無線LAN環境の実現
全教室で全児童・生徒/全教職員が利用する
“超快適なインフラ“
“超快適なインフラ“
デジタル教科書 / デジタル教材 / CBT※を
“思う存分”に活用
“思う存分”に活用
※Computer Based Testing
大企業グレードよりも厳しい設計・構築・運用体制が求められる!
新人SEのAさん
ひょっとして、僕が得意な大企業のネットワークと同じ考え方で提案するとうまくいくってことですかね!!
先輩SEのBさん
さすがね!その通り、今や学校の無線LANも大企業グレードを超える必要があるということなの!
5. 大企業向け無線LANの鉄則
先輩SEのBさん
大まかにいうと次の6つがポイントかな。
- 鉄則1 新ブランドへの切替方法
- 鉄則2 ネットワーク運営会議
- 鉄則3 製品仕様書
- 鉄則4 設定内容
- 鉄則5 設置場所と位置
- 鉄則6 電波測定
新人SEのAさん
この鉄則の内容をもう少し詳しく知りたいです!!
先輩SEのBさん
鉄則の詳しい内容については、下記の資料にまとめておいたからダウンロードしてみて。
続きは、下記資料をダウンロードしてご覧ください!
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